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今まで我慢してた会社のクーラーを入れてしまいました、昨日。
家では扇風機を出してしまいました。

今日は28なんだか82なんだかそれ以前なんだか。







オレハアイツデキミハボク


  相反する単語。
  詐欺師と紳士が二人に対する世間の形容。

「詐欺師じゃなんて酷いと思わん?」
「何を今更。実際入れ替わって騙したんですから詐欺でしょう」
「自分も片棒担いだクセに、何じゃその言い草は。紳士とは思えんのう」

  昼休みの部室。
  向かいの席に座った仁王くんが足を組み替え大きく仰け反り、開け放たれた窓枠に頭を乗せ空を見ている。
  食事中に行儀が悪いと諭したところで無駄なのはわかってるのでもう言いませんが。

「ところで仁王くん」
「なんじゃ」
「また私の姿で何かしましたね」
「気のせいじゃろ?」
「いいえ、明らかに周囲の反応が違います」
  
  そう、女性からの告白が。
  今までからもありましたがここ1週間はその比ではありません。
  中には、私に覚えのない「助けて頂いたお礼」と言うものまで。

「お前さんは固すぎじゃ。じゃで俺がお前さんの代わりに愛想振り撒いとるんじゃ」
「大きなお世話です。それに私は愛想がないなどと言われた事はありませんよ」
「心配せんでもちゃんと紳士にしちょるよ」
「そう言う問題ではないでしょう」
「そー言うんが固いんじゃ」

  ああ言えばこう言う。
  詐欺師に口で勝つのはなかなかに骨が折れます。

「貴方は私を困らせたいんですか?」
「そーじゃな」

  ニヤリと笑い私を見る。
  そのまま身体を起こし両手で頬杖を付き私に向き合う。
  ああ、なんて綺麗。
  銀の髪がキラキラと光を弾く。
  その眩しさに私は目を細める。

「私だけならいいですが、周りの方まで巻き込むのはご遠慮願いたいですね」
「巻き込んどらん」
「巻き込んでますよ、仁王くんの私がきっかけで告白して下さる、でも私はそれに応えることが出来ない。十分相手の方には迷惑な出来事でしょう」
「きっかけって、ただ目が合ったから微笑んでみたり、荷物を運んでるのを手伝ったりしただけじゃ。そんなことで柳生に告白しようと思うのが間違いなんじゃ」

  いいえ、貴方はそうなるように仕向けてるはずです。
  私を困らせるために。

「それでは私も貴方を困らせてみましょう」

  同じ事をしたら少しは貴方の気持ちがわかるでしょうか?

「受けて立つぜよ。紳士にそんなことが出来たら大したもんじゃ」

  うーんと伸びをし、この大きな子供はそのまま浅い眠りについた。

  好きな子はいじめるもんじゃ。

  ポツリと吐き出された理由。

「嫌われても知りませんよ」

私の声は届いたでしょうか?




希蝶

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